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2012年05月21日

【多事争論】戦後40年、迷走する沖縄基地問題の根本は国防問題である

40年。totoronです。

去る5月15日は沖縄県の本土復帰40周年でした。
関連する記事や特集があちらこちらのメディアで組まれていましたが、意見も多様であり問題の難しさが如実に表れています。

多くの記事では本土と沖縄の意識の違いと、データでの沖縄の基地の現状と経済分析などが行なわれていました。
国防という論点はあまりなく、ほぼ感情と経済と土地の占有、人権、メディアと政治の問題という扱いです。

しかし、沖縄の問題は根本的には国防の問題です。
なぜなら、国防のために基地があるからです。支配のためでも差別のためでも経済のためでもありません。
国防上の重要性がまず議論されて、そこに値付けが行なわれ負担の分配が行なわれるべきです。
人は誰しも知らない分野については口を閉ざします。知っている分野から切りつけて一撃離脱の立場を無意識に取ってしまいます。
そうすることで問題をすり替え、根本から目をそらしてしまいがちなのです。

日米安保条約による、周辺諸国に対する国防上の意味は否定できないほど大きいものです。
特に昨今、東アジアの情勢が不安定な状況を考えれば、グアムに駐在した際に余計にかかる1時間程度の時間があれば、何が起こってもおかしくない状態です。
有事発生からの対応時間が国防のカギを握ると言っても過言ではありません。
国民も政治家も不勉強(教育で教えないので当然といえば当然)なので、誰もそこに突っ込んで議論はしません。

しかし、米国での議論は、基本的に国防上の意味を問う議論です。
本土での議論は、沖縄がかわいそうだという感傷と経済問題を傘にした責任回避が中心です。
沖縄での議論は、政治批判と被害者感情が中心です。

テーブルが違うので、議論しても「継続しての対話が必要」ということになります。
自分のテーブルで議論をしたいというそれぞれの思惑があるので、時間をかけて自分のテーブルに引っ張り合っているのです。
おなかが空いているけど、お店を選ぶのに必死でご飯が食べられない、そんな様相です。

まずは国民的に国防についての教育と議論を行ない、その意味と価値を知ることが大切だと思います。
右翼とか左翼とか決めつけて排斥している場合ではありません。知らなければならないことは知るべきです。

それから、沖縄の基地の意味と価値、そして不平等について話し合うべきではないでしょうか。
確かに米軍が駐留していたことによって、本土復帰後の経済発展や社会インフラの整備は他県に比べて遅れていましたが、その問題は本質的には経済政策や開発計画の問題であって、根本的な国防の問題とは別の問題なのです。

沖縄出身の私ですら、こういった特集が組まれるたびに、足踏みしている議論に辟易してくるのです。

聖書で、一つになれないイスラエル民族は、せっかくモーセがエジプトから解放しても目的地のカナンには行けず、40年間荒野でさまよいました。
一つになるためには、同じものを見ないといけませんし、見るべきものをみなければなりません。

「エリートは、他の人びとより優れた資質や社会的立場を占めているから尊敬されるのではない。
その資質や地位を活用して、それらをもっていない人びとを守るから敬意を払われるのである。」
(塩野七生。作家)



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2012年04月27日

【電力自由化】一手先を読む

先読み。totoronです。
先を読む頭脳 (新潮文庫)
羽生 善治 松原 仁 伊藤 毅志
新潮社
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経済産業省の調達価格等算定委員会(委員長:植田和弘京大教授)での委員長案が提出されました。

原発停止なら電力料金アップ、というのはもう周知のことかと思います。
原発停止は新しい電力利用のあり方を求めてきます。問題点は大きく2つです。ひとつは総電力量の確保、そしてもうひとつは経済性です。

基本的には、総電力量が大きくなるほど、電力単価は減ります。
原発停止によって一番問題になるのは、総電力量の確保が難しくなるということです。
また、原発は電力の生産単価が安い、という点が特徴でした。

総電力量を確保するために、今回は売電価格を高めに設定しています。様々なリスクもあることから、IRR(内部利益率)を少々高めに設定していることが、調達価格等算定委員会の議事録を見ているとわかります。
すると、参入者が増えて電力量が確保されますが、同時にそれは電力単価が高くなるという問題を引き起こします。
ですから、エネルギー利用者には省エネのイニシアチブが働き、電力の総需要量が少なくなります。
そこで当初の経済性が失われ、制度崩壊の危険性が出てくるようになります。

ですから、それに備えて次の手を先に考えておかなくてはなりません。
年金も国保も非常に運営が困難になっているのは、将来に対する考えが甘かったからです。
後世代に何を残すのかを考えながら、次の一手を指していきたいものです。

それでは、今日はこの辺で。

「将棋の一手一手に嘘はない。
お互いに勝ちたいとか、いい将棋を指したいとかそういう真剣な気持ちで選択し、一つ一つ決断している。」
(羽生善治)

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2012年02月23日

【多事争論】電気とこれから

五里霧中。totoronです。

毎日の電力に関するニュースが後を絶ちません。
電力値上げ、原発停止・再開議論、自家発電への参入、電力小売り、省電力、などなど分野は様々。
しかしながら、確実に電気というエネルギーについて皆が関心を持って考え出しました。


節電・停電ハンドブック


これからの日本社会にとって、どのくらいの電力を使うのかというのは大きな問題です。
大量消費によって産業を動かすという時代は過ぎ、これからは国内の電力をいかに減らしていくか、電力コストダウン(総量削減)を行なう時になりました。
サマータイムや夜間営業の規制など、政策的にも様々なことが必要でしょうし、省エネのための技術開発、大量の電力を必要とする産業の海外移転などが進んでいくのではないかと思われます。

しかし、今の所はまだまだハッキリした方針は見えず、五里霧中の状態。
関係する業界とメディアだけがアタフタしていますが、国民全体にもっと広く訴えかけるべきでしょう。

日本は元々エネルギー資源の少ない国ですから、地産地消の考え方で言えば、あまりエネルギーを消費しなくとも暮らしていけるはずです。
ライフスタイルの変化、産業構造の変化など、長期的な視野をもって国を再設計する時期ではないかと思います。
少なくとも、今現在、学生なのであれば、そうしたことを考えながら将来を考えるべきでしょう。
「省エネ」はいつしか「手抜き」という意味で使われることが増えました。省エネのために本来は汗をかくべきなのですが・・・。

それでは、今日はこの辺で。

「大好きな日本がまた笑顔で溢れる国になるよう、ボクは出来ることは何でもするつもり。
ユーモアがあれば、辛い時でも電気を使わずに世の中を明るくすることが出来るから。」
(デーブ・スペクター)

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2012年01月26日

【多事争論】強いリーダーが生まれない理由

リーダー。totoronです。

世界の諸国で独裁政権が倒れ、そして世界は未曾有の経済危機に突入しようとしていますが、その中で各国リーダーの交代が近づいています。
日本はリーダーが度々変化する国として世界的に有名ですが、なぜ日本には長期に渡るリーダーが生まれないのか。面白い記事をみかけました。

【橘玲公式サイト 「「強いリーダー」はなぜいないのか? 週刊プレイボーイ連載(34)」】
ところで、日本にはなぜ強いリーダーがいないのでしょう。この疑問はふつう「政治家がだらしないからだ」と一蹴されてしまうのですが、そんな簡単な話ではないかもしれません。

1980年代から、世界80ヶ国以上のひとびとを対象に、政治や宗教、仕事、教育、家族観などについて訊く「世界価値観調査」が行なわれています。これだけ大規模な意識調査はほかになく、その結果もきわめて興味深いのですが、2005年調査の全82問のなかで、日本人が他の国々と比べて圧倒的に異なっている質問がひとつあります。

近い将来、「権威や権力がより尊重される」社会が訪れたとすると、あなたの意見は「良いこと」「悪いこと」「気にしない」のどれでしょうか。

集計結果を先進国で比較すると、フランス人の84.9%、イギリス人の76.1%が、社会を運営するためには権威や権力は尊重されるべきだと考えています。マリファナや安楽死を容認するオランダで70.9%、自助・自立を旨とするアメリカでも59.2%が権威や権力は必要だと回答し、権威的な体制への批判が噴出する中国ですら43.4%が権力は好ましいものだと考えています。

それに対して日本人は、この質問にどのように回答したのでしょうか。

驚くべきことに、日本人のうち「権威や権力を尊重するのは良いこと」と答えたのはわずか3.2%%しかいません。逆に80.3%が「悪いこと」と回答しています。この結果がいかに飛び抜けているかは、権威や権力への信頼度が2番目に低い香港でも22.6%が「良いこと」と回答していることからも明らかです。

日本人は世界のなかでダントツに権威や権力が嫌いな国民だったのです。



リーダーになる人に知っておいてほしいこと


そう、私も政治家がだらしないことが原因だと思っていましたが、事はそう簡単ではありませんでした。
数字は残酷に傾向を表します。

日本人は独裁嫌いだとは思っていましたが、まさかここまでとは。これではリーダーが生まれるはずはありません。リーダー恐怖症だからです。
権威や権力という言葉は、権利行使のための威力や力を指します。言い換えると、何かをするための権利を誰かが持っているということでもあります。
つまり、権威や権力を嫌うということは他人の権利を嫌うということです。それは民主主義の思想から外れます。また、誰かが何かをすることに対して嫌うということです。任せることを嫌うということです。だから結局、良い仕事ができなくなります。

第二次対戦の軍国主義への反省があまりにも強く、権力や権威が何を引き起こすかということをバランスよく教えることができなかった歴史観にも問題があったのではないかと思います。権力や権威に対して、もっと肯定的な内容も教えなければならないのではなかったでしょうか。権力も権威も、あるべき所に無ければ本来の価値を発揮できません。極端にリスクを避ける、臭いものにはフタ、という姿勢が完全に浸透してしまいました。
最近も従軍慰安婦や沖縄戦の取り扱い問題などで八重山地域の教科書が問題になっていますが、歴史認識が国民性に与えている影響は影ながら相当に強いのではないかと感じます。

強いリーダーを得るためには、先人たちの恨みや弁護に染まっていない、偏りのない歴史観を持つことが大切ではないかと思います。
そのためには、複数国の目線で同じ歴史を学び見つめることが良いのではないかと思います。
そうする中で、健全な使命感や人の立場に立ってみる心が育つのではないでしょうか。リーダーは民の心がわからないことも多いですが、民もリーダーの心がわからない場合もあまりにも多いのです。互いの立場や権利を尊重する、それが民主主義の基礎である基本的人権の考えです。
民主主義とは単なる多数決の意思決定方法ではありません。個人の権利を尊重した政治形態であり、その根本は個人の参政の権利であり、その参政権による信任行為から出る権威と権力です。形式的に民主主義を教えたり考えたりしてはいけません。民主主義を無視して生まれた独裁政権と、民主主義のルールの中で生まれたリーダーに権威や権力が集中することはまた全然別の意味を持つことを理解し、教育しなければなりません。

それでは、今日はこの辺で。

「力強さは使命感を持つところから生まれる」
(松下幸之助)

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2011年12月23日

【多事争論】北朝鮮も大阪も、ビジョナリーでないのではないか

ビジョナリー。totoronです。

金正日氏の死亡によって、北朝鮮情勢が注目されていますが、北朝鮮を見ていて心配なことのひとつに、全くビジョンが無いということが挙げられます。社会主義革命を推進しようとしている割には外交活動があまりにも小さいし、国内の軍事力強化を図っての恫喝外交しか方向性を感じないのも困ったものです。北朝鮮は核兵器の開発に巨額の投資をしており、また北朝鮮の軍隊も世界最大規模の歩兵と特殊部隊を備えていて、核戦争に特化した編成になっていると言います。通常の陸・海・空軍の装備や編成は周辺諸国に比べると脆弱であるという噂があるくらいです。それでいて、世界に社会主義革命をどうやって起すのでしょうか。せいぜい韓半島くらいしか出られないのではないかという気がします。
後継と見られる金正恩氏も軍事強化を第一に掲げたそうですが、これまでの路線の踏襲にしか思えません。あまりにもビジョンが乏しく、発展性を感じません。


ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則


日本国内に目を戻すと、最近は大阪の橋下市長による大阪都計画が政治の話題の中心です。橋下氏を中心とする大阪維新の会は、国政への進出も睨んでいるそうですが、この大阪の新政権もまた、ビジョンという点では不安を感じています。特に何をしたいというビジョンはなく、組織を変えたいというのが第一だからです。健全財政の組織体への変化、といえば聞こえはいいのですが、何のために健全財政にするのか、そのビジョンが欲しいと思ってしまいます。

企業などではよくビジョナリーであることが求められますが、理想的なビジョンがあることでそこに向けて考えが動き出し、結果行動が動きはじめます。指導者はまず理想的な考えを学び、そして提案しなければ人がついてくることがありません。ビジョンなく、制度や武力で統治するのなら、それは独裁と呼ばれることでしょう。

それでは、今日はこの辺で。

「一番最初に重要なのが理念と志。二番目に重要なのがビジョンです。そして三番目が戦略です。
これがリーダーシップを発揮していく人、事業を興す人が持つべき重要順の3つのポイントだと思っています。」
(孫正義)

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