2008年11月29日

森林伐採とセンス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー。totoronです。

「沈黙の春」で有名な海洋生物学者のレイチェル・カーソンは、子供の持つ自然の神秘や美しさに驚く感性を、センス・オブ・ワンダーと名づけました。著書の「センス・オブ・ワンダー」には写真の美しさと共に、センス・オブ・ワンダーによって描かれた自然世界が描写されています。

宮崎駿が作品の中で伝えたいものの一つは、このセンス・オブ・ワンダーなのではないかとジブリのアニメを見ていると思ったりもします。

【参考:多事争論×多事争論 「宮崎駿の教育論「生きろ」」】

今日はショックなニュースを見つけたので、そちらを紹介したいと思います。

【AFPニュース 「アマゾン地域の森林伐採率、約4%上昇」】
【11月29日 AFP】ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が28日発表した統計によると、「地球の肺」として知られるアマゾン(Amazon)地域のジャングルが、2007年8月から7月の12か月で1万2000平方キロメートル近くも失われていることが明らかになった。

 INPEによると、農地開拓の侵食による森林伐採率は、前年と比べて3.8%上昇した。

 被害が最も大きいのは北部パラ(Para)州と大豆の生産地である中部マトグロソ(Mato Grosso)州だった。

 ブラジル当局は過去3年、アマゾンの森林伐採を大きく減少させることに成功していた。

 また、ブラジル政府はこの熱帯雨林保護のための戦いを、地球温暖化対策への貢献と位置付け、資金援助という形で海外から評価を受けるべきだと主張している。援助金は、同地域に住む貧困層が森林を伐採しないための支援に使われる。

 しかし、今回の統計によると、前年と比べてスロベニアやイスラエルに匹敵する面積の森林が失われたことになる。ブラジル政府は、森林破壊は今後も広がる可能性が高いと警告しており、罰金制度を含めた新たな対策を導入している。

最近はこの手のニュースを聞かないなと思っていたら、急にこのようなニュースが出てきて正直驚いています。

これからは新しいビジネスチャンスとして、多くの国で環境ビジネスが発達すると思いますが、その一方でこのような森林伐採がいまだに行なわれているということに問題を感じざるを得ません。

私も学生の頃は、ワールドウォッチ研究所が出している地球環境データブックを毎年購入し、食糧問題が森林破壊が水不足が資源不足が温暖化排出ガスがどうなっているかをチェックしていました。当時から考えれば、環境問題への理解は進み、人々の中では常識と受け止められるようにはなりました。今ではゴミの分別について文句を言う人もほとんどいません。

ただし、それはあくまで日本の話。

相変わらず途上国と先進国の間には、環境保護と開発という2つの考えを両立させる手段が乏しく、ましてやこの世界的不況期です。環境を優先しろとは誰も言えません。しかし、世界的な取り込みが必要な問題だからこそ、足並みをそろえないといけないのも事実。

世界の人口が増えているからこそ、農業収穫高を上げなくてはならず、そのために今回のように農地を開拓する、そうすると森林は伐採して農地にせざるを得ない、それは間違いなく途上国の論理として正しいでしょう。彼らの森林伐採を止めるには、先進国がビルを更地にしてそこで農業をしなくてはなりません。

各国の利害がぶつかり合うため、なかなか調整が難航するのですが、それでもどこかで基準を決めなくてはならない。そういった意味では先の環境サミットなどは意味のあるものだったと思います。基準が決まれば、世界的に生活や産業を見直すというより大きなレベルでのバランス調整が必要になってきます。

インターネットが発達した国であれば、ほとんどの仕事や購買活動は直接足を運ばずとも可能なはずです。最近はデータセンターやハードウェア本体の省エネ技術も大分進んでいます。通勤ラッシュを軽減することも可能でしょう。グリーンITには個人的に期待大です。

また、一日三食が今は常識ですが、そうでない時代もありました。また、同じく三食食べていてもその中身や量は全然異なっていたりします。そうしたものも基準を定めることによって、より効率的な資源の使い方、配分はできるようになるはずです。地産地消もまた、経済的なメリットや環境面でのメリットをより享受できるはずです。私たちのパラダイムを変えることができたなら、今の環境問題の大半は改善されるように思うのです。

そうしたバランス調整・パラダイムシフトに最も貢献できるのが、報道機関でありマスコミであり、こうしたインターネット上の情報発信ではないかと思います。

また、私もブログパーツにグリムスを利用していますが、こうしてブログ記事を書くことで木が植えられるなら、このブログを書く時間も社会貢献に変わります。私が同じ時間をかけても、しっかりと木を植える技術もお金もないので、より専門の方にこうして委ねられるというのも良い選択ではないかと思うのです。

記事にあるように、地球の肺であるアマゾンで小国ほどの森林が消えました。
取り戻すには、数十年かかります。
私たちに子供のような目があったなら、センス・オブ・ワンダーがあったなら、このような状況を良しとしたでしょうか。

間違った道を行ったら、正しい道に行く前にまず元の場所まで戻らないといけないように、何かを失ったら回復には多くの時間がかかります。今回の金融政策くらい各国が連携・強調して真剣に対応するなら、解決できない問題ではないと思うのですが、何を手をこまねいているのでしょうか。

サッカーのスコアは3対2くらいが一番面白いです。しかし、痛みを伴う問題については、3つ成功して2つ失敗したではなく、1つ成功して失敗が無い方が良いと思うのです。1対0が理想です。後世のためにも、傷のない歴史を積み上げていきたいものです。

それでは、今日はこの辺で。

「自然界の保全について、われわれが慎重を欠いていた事を未来の世代はけっして許さぬだろう。」
(レイチェル・カーソン)

【関連エントリー】
- 多事争論×多事争論: 洞爺湖サミット01
- 多事争論×多事争論: 洞爺湖サミット03
- 多事争論×多事争論: 洞爺湖サミット02
- 多事争論×多事争論: 私たちが学ぶべき国々
- 多事争論×多事争論: 洞爺湖サミット04
- 多事争論×多事争論: 悩める時代のCSR
- 多事争論×多事争論: 人生、宇宙、全ての答え
- 多事争論×多事争論: 世界都市TOKYO
- 多事争論×多事争論: 言葉のチカラ
- 多事争論×多事争論: 日本のデータセンター
posted by totoron at 16:09| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/110393913

この記事へのトラックバック