Check

2008年02月21日

現場感覚

最近、よく竹中平蔵氏がインタビューを受けているコラムを読みます。

思えば、大学生の頃に「経済セミナー」という本を読んでいた時から、竹中平蔵氏のコラムは面白かったと思います。
全然経済学がわからず、本の内容についていけなかった時期でも、「竹中氏の話は何か説得力があるな」と思ったものです。

そんな竹中氏が小泉内閣で、経済財政諮問会議に入ったのはかなり衝撃的でした。当然連載は閉じられ、大学のゼミにかかわれる時間は減っていき・・・となったわけですが、TVや新聞を通して、その活躍ぶりを見ることができ、経済に対する知見があれば大きなことができるのだと強く感じることが出来ました。数字で見ても、就任前は20兆円以上あったプライマリーバランスの赤字が退陣時に8.5兆円くらいまで減ったわけですから、財政改革は大きく進んだ時期だったのです。経済成長率も、マイナス数%のところから2%くらいまで回復しました。

さて、経済通・政策通はたくさんいますが、竹中平蔵氏の何がよかったのかといえば現場感覚です。森永卓郎氏も消費者に近いことを売りにしていますが、少し違う気がします。森永氏の現場感覚は、庶民的感覚であり現場の感覚とは少し違うと思うのです。

現場では何を求めているか。改革でした。解決方法はわからないものの、このままの体質ではダメだと誰もが感じていました。

庶民はデフレだなんだと騒いでいました。主婦の感覚とでもいいましょうか、モノが安くなることを喜んでいる感覚でした。この頃、お茶の間に人気の出た森永氏は、ここに共感を得るように自分のポジションを作っていきました。

企業では、成長したいと思う反面、売上増のためには価格を落とし、シェアを上げるしかない状況でした。価格下落による利益幅の縮小は企業努力で賄うしかない状況でした。

しかし、その中で公的機関はそうした厳しい環境と離れたところにいました。民間の現場の人々から疎まれました。

そこに、竹中氏の入る余地があったのです。
現場同様、不要な支出を切り詰め、民間へのアウトソーシングを行いました。抵抗勢力にも批評にも臆することなく改革を進めました。結果として格差は生まれましたが、経済成長率は回復しました。失業率は低下し、所得も再び上昇に向かい始めました。

竹中氏は、経済成長率が回復してきた現在の状況についてもこう語ります。

入院していた患者が回復して日常生活に戻ったということ、ただあえてクールに言えばただそれだけだということです。日本が入院しているあいだ、世界の経済は凄まじく変ってしまいました。


そう、日本は先進国の中では、経済において普通の国になっているのです。
今の経済成長率では、さらに経済において弱者になっていくことが予想されているのです。成長率2%と3%とでは、雲泥の差があります。歳入にして、消費税を8%上げるほどの違いがあるのです。

そのような考え方をもって、竹中氏は竹中プランを進めました。

今、現場が求める声は何でしょうか。

様々な企業が今、J-SOX法に対応するための準備をしています。情報セキュリティの強化や業務プロセスの改善、コンプライアンスの推進やCSRは当然行われるべき感覚となっています。

しかし、公的な機関においてはその働きが弱い。現場の声が聞こえない。
その最たるものが霞ヶ関です。

現場と同じ感覚であれば、コンプライアンスの強化と、CSR、そして会計プロセスの適正化と情報開示に耐えうる体勢を作っておかなくてはならないはずです。そして、それがどれだけ手間のかかる業務か、そして国際競争で生き残る上で必要かを肌で感じているはずです。

様々な分野でトレーサビリティが求められている今日に、様々な隠蔽や不祥事が残っているのも現場から遠く離れた感覚です。官僚の多くは法律を作りますが、自分たちがその法律を履行することを考えていません。現場と乖離する理由はそこにもあります。一つの事件の裏には、当然なされるべき仕事がなされていないことがあまりにも多いのです。

今、現場の声はどのように、政府の耳に届いているでしょうか。
今の福田内閣には、現場の状況を理解している柔軟性のある人がどれだけ残っているでしょうか。

現場感覚を失ってはいけません。
それは政治家たちだけでなく、企業のトップも同じです。

「事件は会議室で起こっているんじゃない、現場で起こっているんだ。」

誰もが共感したからこそ、踊る大捜査線はヒットしたのです。

もう一度、人々が生き、生活する現場を省みなくてはと思います。

それでは、今日はこの辺で。
posted by totoron at 17:51| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/85341326

この記事へのトラックバック